ＲＯＹＡＬ ＡＬＢＥＲＴ ＨＡＬＬ ＣＯＮＣＥＲＴ
2001.2.15up(2003.3.23更新)
２１世紀のワールド・ツアーは、ここRoyal Albert Hallの６日間から幕が開けられました。ニュー・
アルバム”REPTILE”の発売を間近に控えその名も”REPTILE TOUR”と題されました。海外で見る
コンサートは全く初めての経験でした。（１５年位まえのウィーンでの室内弦楽のライブを別として）
冒頭にも書きましたが、RAHといえば｢クリーム解散コンサート｣、｢24 NIGHTS｣が行なわれた場所
でCLAPTONファンにとっては『聖地エルサエム』的な意味合いを持つ特別なコンサート会場です。
High Street Kensington駅近くのホテルからハイドパークの南沿いを歩いて行くと、夜の照明で演出
されたRAHが視界に入り、ただそれだけで感動しました。1871年にオープンした円形ドーム形ホール
です。
観客の年齢層は日本の時よりさらに高く６０〜７０代の老人も珍しくありませんでした。これだけ高齢
な人達はきっとあの1968年の｢クリーム解散コンサート｣を体験した人も中にいるだろうと思いました。
ボックス席はワインでも飲んでディナーを楽しんでいるような雰囲気に見えました。
午後8時30分過ぎ、客席の照明が消えて殿様の登場です。
Setlistは最初にインストラメンタルのアルバム・タイトル・ソング”Reptile”を含むアコースチック
バージョン５曲で構成されていました。”Change the world”のイントロでは一昨年の日本公演と
同様にベースのNathanとの掛け合いが素晴らしくプロのミュージシャンの演奏を堪能でき、中
盤への展開に重要な役割を果たしていました。
エレキ・バージョンのオープニングは今回聴く事は出来ないだろうと予想していた”My Father's
Eyes”。情緒あるイントロのフレーズもライブでしか体験する事ができないもので、本題への展開
にいっそう盛り上がりを演出していました。後から気が付きましたが、この曲の時の照明が今回の
コンサートの中で最も明るかったので、写真はこの時沢山撮れば良かったと思いました。
”River of tears”ではヴォーカルの伸びもあり唄だけでも十分聴き応えがありました。そして中盤
のハイライトは”She's gone”でした。イントロのディストーションを聴かせたソロは超格好良いし、
アップテンポなリズムに身体が揺さぶられました。今後この曲はコンサートの中核となるのでしょう
か。それにしても”She's gone”のギターの様な音色はCLAPTONにしか弾き出せないと思いました。
観客の中にはノリノリの人も中にはいて身体の動かし方はやはり日本人とは異なり、陽気な感じ
がすしました。一方スーツを着ている高齢者は背筋を伸ばして聴いていましたが、決して退屈して
たようには見えませんでした。
ニュー・アルバムの紹介に入る前にＩＭＰＲＥＳＳＩＯＮＳが登場し、コンサートはエンターテインメント
の要素を高めていきました。新曲はＩＭＰＲＥＳＳＩＯＮＳのノリをそのまま引き継ぐ形でカヴァー曲で
構成されていました。｢CLAPTON=Blues｣の認識でいるとちょっと肩透かしのような感もありましたが
いろいろな要素にチャレンジする精神で今後の長い現役活動に繋がれば、それも一つの方向なの
かなと想いました。（恥ずかしながら、ＩＭＰＲＥＳＳＩＯＮＳのCDは聴いた事ありませんでした。）
”Hoochie Coochie man”のイントロが始まった瞬間、｢CLAPTONはこうでなくちゃ｣と再認識してしまい
ました。”Badge”は最近のコンサートでは常連となりギター・ソロもこれまた情緒的で涙が出そうにな
りました。９日には”Cocaine”が日替わりで入り、ギター・ソロでワウ・ペダルが使われ、超感動もの
でした。
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今回初登場の”
”RAHの圧巻は最後の”Layla”でアリーナ席の観客がステージの真下に詰めより、自分も前から
３列目の正面左で体感できました。まさにアーティストと観客が一体となって同じ空間で共鳴す
る最高の瞬間でした。遥々日本から来て、日本では絶対体験できない貴重な思い出になりました。
”Layla”は初めは日本受けする曲かなと思っていましたが、本場でも最高潮に達していました。
そのまま、アンコールの”Sunshine of your love”に流れ込み30年前のクリームで演奏された同じ
曲が聖地で聴けた事は感慨無量としか言い様がありません。 これで終わりかと思っていたら、
”Somewhere over the rainbow”が唄われるなんて、これも地元でなければあり得ない事でしょう。
↑ Photo by W.N.さん
